映画「ジュラシック・ワールド」シリーズ全3作品紹介

映画「ジュラシック・ワールド」歴代シリーズ全3作品のあらすじと登場人物を紹介します。
これまでのシリーズ作品

  1. ジュラシック・パーク(1993)
  2. ジュラシック・パーク『ロスト・ワールド』(1997)
  3. ジュラシック・パーク『Ⅲ』 (2001)
  4. ジュラシック・ワールド(2015)
  5. ジュラシック・ワールド『炎の王国』(2018)
  6. ジュラシック・ワールド『新たなる支配者』(2022)

『ジュラシック・ワールド』(2015)

あらすじ

「ジュラシック・パーク」の惨劇から22年。新たにオープンしたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」は、1日2万人もの観光客が訪れる人気スポットになっていました。

ザックとグレイは親元を離れ、船に乗ってイヌラ・ヌブラル島に向った。恐竜の島と呼ばれるそこは生きた恐竜を観ることができる一大テーマパーク、ジュラシック・ワールド。二人はそこに勤める叔母のクレアに招待された特別客だった。

さらに人気を獲得し収益を上げたい責任者のクレアは、恐竜監視員であるオーウェンの忠告も聞かず、遺伝子操作によって人工的に最強の恐竜インドミナス・レックスを生み出します。

まだその危険性がわかっていないインドミナスはほかの恐竜たちから隔離されていましたが、あるとき高い知能を使って監視員たちを騙し、檻から脱走。

そのときパークに遊びにきていたクレアの甥っ子たちは、立入禁止の森林エリアに足を踏み入れてしまいます。その後、恐竜たちの暴走によりパークはパニックに陥っていき……。

パークは新たな所有者により、恐竜と至近距離で触れ合うことができる高級リゾート地「ジュラシック・ワールド」として再建されていた。パークでは目玉として新種の恐竜“インドミナス・レックス”が遺伝子操作により生み出されていたが、飼育地から逃走。パークは混乱に陥る。

監督はスピルバーグも才能を認めるコリン・トレヴォロウ。作品と同じく、1作目の『ジュラシック・パーク』から22年後に公開された。知能も備わる最強のインドミナス・レックスとシリーズおなじみのT-REXの戦いも熱い。

22年経っても色あせないド迫力の映像とハラハラするストーリー展開に、1作目からのファンも、新しく観る人も感動極まる。

登場人物

オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)


オーウェンは「ジュラシック・ワールド」の恐竜監視員で管理人の1人です。元海軍の軍人である彼は、ヴェロキラプトルの行動を研究し、ラプトルたちと信頼で結ばれています。恐竜も人間と同じく敬意を払うべき存在と考えており、4頭のラプトルのうち最も知能の高いブルーは彼によくなついています。

オーウェンを演じるのは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのスター・ロード/ピーター・クイル役などでも知られるクリス・プラットです。

ジュラシック・ワールドの恐竜監視員であり、元海軍の軍人。
ブルー、チャーリー、デルタ、エコーのラプトル4姉妹を調教し、ブルーとは特に親しい関係性を築くことに成功しており、恐竜に対しては他の動物と同じく愛情を持って接している。

そのため『ジュラシック・ワールド』では恐竜を兵器に仕立て上げようというホスキンスの考えを嫌悪し、遺伝子操作で作られたインドミナス・レックスに対しても非常に危機感を頂いていた。『ジュラシックワールド 炎の王国』でも恐竜愛護の為に行動を取ったのであり、売買を目論むに対してはイーライ・ミルズ達については容赦のない対応を取っている。

冷静な判断と機転により、幾度と危機を乗り越えているのと同時に元海兵隊として高い戦闘力と運転技術を持っている。

クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)


クレアは「ジュラシック・ワールド」のパーク管理責任者です。そのほかインジェン社のコンサルタントなどさまざまな役職を兼ねる優秀な人物ですが、融通の利かない性格で、恐竜たちはビジネスの道具と割り切っています。インドミナス・レックスが脱走した際にも、パークの損害を真っ先に心配していました。

クレアを演じるのは、M・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』で本格的に女優デビューたブライス・ダラス・ハワード。映画監督ロン・ハワードの娘としても知られているほか、『スパイダーマン3』(2007年)ではグウェン・ステイシーを演じました。

「ジュラシック・ワールド」の管理責任者として初登場。
初登場時は恐竜を展示物としか見ない商売主義者な性格で、より多くの集客を目指し“より巨大により目立つ”新種開発を行っていた事もあり、元恋人であるオーウェンとは揉める事も多かったが、『ジュラシック・ワールド』で起こった事故により改心。

『ジュラシック・ワールド 炎の王国』では恐竜保護グループ「Dinosaur Protection Group(略称:DPG)」を設立し代表として、イスラ・ヌブラル島に残してきた恐竜たちの保護を訴え奔走している。
火山の噴火によるイスラ・ヌブラル島の恐竜保護にオーウェンと向かうのだが…。

シリーズを通じて非常に強い女性に変貌し、気持ちについても大きく心変わりした最も成長が著しいキャラクター。

グレイ・ミッチェル(タイ・シンプキンス)


クレアの甥である11歳の少年。恐竜に非常に興味があり知識も豊富。
管理責任者の甥である事から「ジュラシック・ワールド」をVIP待遇で遊べることに大喜びし来園するのだが…。当たり前ですが事故に巻き込まれてしまう。

思春期の兄とは、年齢ゆえに若干の仲たがいがあるものの、事故を通じ助け合い良好な関係に。

11歳の少年らしからぬ、非常に優れた洞察力と“ここぞ”という時には度胸を見せるが、両親の離婚に向けた動きを察知し動揺し涙するなど、少年らしい姿を見せる。

ザック・ミッチェル(ニック・ロビンソン)


クレアの甥である16歳の少年。弟のグレイとは違い、あまり恐竜には興味が無い。恐竜より女性が気になるお歳ごろで、彼女がいるにも関わらず目についた女性に色目を使う。弟と一緒にいるのに…。
年齢歴な部分と、両親の離婚話を受けて反抗期を拗らせておりパークのアナウンスを無視した事から事故に巻き込まれる。非常事態ではあるが多分無免許でジープを運転するなど、結構やんちゃ。

弟の事は反抗期もあって億劫に思っている素振りを見せるが、本当は両親の離婚を心配して涙を流すグレイを励ますなど、思いのほか気遣っている。

サイモン・マスラニ(イルファーン・カーン )


通信業や石油採掘業も手がける大企業マスラニ・グローバル・グループのトップであり、「ジュラシック・ワールド」のオーナーでもある世界で8番目の富豪。父サンジェイ・マスラニは「ジュラシック・パーク」創設者であるジョン・ハモンドの親友。

ヘリコプターの操縦免許を取得したばかりだが、何かあるとすぐにヘリコプターに乗る。
利益よりも企業倫理を優先し、悪人では無く良識があり、人間的な器量の大きさも持ち合わせるキャラクターだが…。

ヴィック・ホスキンス(ヴィンセント・ドノフリオ)


インジェン社の警備担当の幹部であり元軍人。
実は恐竜の軍事利用を画策しており、事故が発生した事を良い事にパークの指揮権を手に入れ軍事利用に向けて恐竜を利用した計画を進めるも…。

パニック映画の悪人たるもの、こうでなくてはと思えるほどテンプレートキャラクター。

ヘンリー・ウー(B・D・ウォン)

『ジュラシック・ワールド』では唯一の『ジュラシック・パーク』からの続投キャラクター。
「ジュラシック・ワールド」の恐竜を生み出した遺伝子学者であり、「ジュラシック・パーク」でも主任科学者と勤務していた。

マスラニの命令によってインドミナス・レックスを生み出したが、実のところはホスキンスと繋がり独断で数々の生物の遺伝子を組み込みモンスターに仕立て上げた張本人。『ジュラシック・ワールド 炎の王国』でもその知能を如何なく発揮し惨劇を巻き起こす。

『ジュラシック・パーク』当時は若い実直な研究者だったが、『ジュラシック・ワールド』以降はマッドサイエンティストといった方が正しい感じに。『ジュラシック・ワールド』シリーズでは基本悪人。

ブルー(ヴェロキラプトル)


『ジュラシック・ワールド』シリーズにおいて、重要なキャラクターとなっている恐竜。種としてヴェロキラプトルであり、性別はメス。※とはいえ、復元にあたりノドグロオオトカゲとナイルオオトカゲの遺伝子を混ぜ合わせているので“純粋”なヴェロキラプトルではない。

オーウェンの手によって育てられ、他の恐竜とは違い弱った相手に寄り添い、一度認めた相手には一途な想いを貫くなど人間と心を通わせる事が出来る個体であり、オーウェンの指示を理解し、行動に移すことが出来る。
特にオーウェンとは種族を超え信頼し合い、親子の様な関係である。

『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018)

『永遠のこどもたち』などのフアン・アントニオ・バヨナ(J・A・バヨナ)が監督を務める。本作でもスティーブン・スピルバーグは製作総指揮として参加。

前作でハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-REXが死闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有するイスラ・ヌブラル島で火山の大噴火の予兆が捉えられていた。迫り来る危機的状況の中、人類は噴火すると知りつつも恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸け救い出すかの究極の選択を迫られる。そんな中、恐竜行動学のエキスパート、オーウェンは、テーマパークの運営責任者だったクレアと共に、行動を起こす事を決意。島へ向かったその矢先に火山は大噴火を起こし、生き残りをかけた究極のアドベンチャーが遂に幕を開ける。

火山の噴火の中の恐竜たちの映像は圧巻。人間VS人間の構図も見られ、人間のエゴ、生命倫理がより顕著に現れている。

あらすじ

『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレボロウが監督を務める。本作でもスティーブン・スピルバーグは製作総指揮として参加。

「ジュラシック・ワールド」が存在した島・イスラ・ヌブラルが火山の大噴火で破滅され、救出された恐竜たちは、世界中へと放たれてしまった……。あれから4年、人類は未だに恐竜との安全な共存の道を見出せずにいた。恐竜の保護活動を続けるオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、人里離れた山小屋で暮らしていた。そこで2人が守っているのは、14歳の少女・メイジー(イザベラ・サーモン)。彼女は、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られた、クローンの少女だったのだ。ある日オーウェンは、子供を連れたブルー(ラプトル)と再会する。しかし、何者かの手によってブルーの子供・ベータが、誘拐されてしまう。オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、クレアと共に救出に向かう。一方、サトラー博士(ローラ・ダーン)は、世界各地から恐竜を集めて研究しているバイオテクノロジー企業・バイオシン社を、ある目的から追っていた。そこへグラント博士(サム・ニール)も駆けつけ、マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)に協力を求める。人類と恐竜の共存の前に立ちはだかる、バイオシンの恐るべき計画とは……? オーウェンとクレア、そして3人の博士たちは大切な命と、この世界の未来を守ることが出来るのか!?

タイトルの“新たなる支配者”とは、人間と恐竜の一体どちらなのか? はたして地球はどうなってしまうのか? 恐竜たちがノンストップで強襲する、ハラハラドキドキの展開に目が離せない。

登場人物

フランクリン・ウェブ(ジャスティス・スミス)


恐竜の保護を謳う「DPG(Dinosaur Protection Group)」に所属しコンピュータ/システム技術を担当する青年。基本、臆病者。

マサチューセッツ工科大学卒でコンピュータの情報については極めて高度な技術と知識を持っている。DPGに参加する前は、「ジュラシック・ワールド」のIT技術者であった。※『ジュラシック・ワールド』自体での出演は無し。コンピュータ/システム関連しか使えない男だと思われるを嫌ってはいるが、概ねその通り。ただイザという時には意外と頼りになるキャラクター。

ジア・ロドリゲス(ダニエラ・ピネダ)


恐竜の保護を謳う「DPG(Dinosaur Protection Group)」に所属し医療分野を担当する女性。男勝りの性格で喧嘩っ早く、右肩から右腕にかけてタトゥーが入っている。

カリフォルニア大学バークレー校で獣医学を専攻し、現在は恐竜専門医となり銃撃を受けたブルーの治療として弾丸の摘出に輸血にと活躍する。劇中に出てくる唯一の恐竜専門医であり結構な時間、敵に拘束されている…。フランクリンとは同僚であり、いじり・じられの関係ではあるが、お互い信頼している模様。

ベンジャミン・ロックウッド(ジェームズ・クロムウェル)


ロックウッド財団の設立者で慈善活動家。
旧ジュラシック・パークを建造したジョン・ハモンドとは昔からの知り合いで、一時期はビジネスパートナーでもあった。ハモンドと同じ蚊入り琥珀付きの杖を使用している。

ハモンドと恐竜再生の研究を自宅の地下施設で行っていた時に最愛の娘を亡くしており、今は邸宅で孫のメイジーと使用人と暮らしている。高齢であり健康状態が良くなく、車椅子に乗っている。

実は結構重大な秘密を持っており、その秘密を憂いて、人の手で作り出された恐竜たちを火山噴火からを救おうというDPGの主張に賛同し、恐竜救出作戦を計画した。そうなった経緯は分からないが、イーライ・ミルズを信用しすぎている。

メイジー・ロックウッド(イザベラ・サーモン)

ベンジャミン・ロックウッドの孫娘であり、ベンジャミンの邸宅である「ロックウッド・エステート」ので暮らす10歳の少女。

好奇心旺盛で運動神経が良いが、それが災いして事件に巻き込まれる。
実は出生について秘密があり、その秘密から「ロックウッド・エステート」の地下に閉じ込められた恐竜たちに対して他の人とは違う感情を頂いている。『ジュラシック・ワールド 炎の王国』の非常に重要なキャラクター。続編の『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』にも登場予定。

イーライ・ミルズ(レイフ・スポール)

大学卒業後からベンジャミン・ロックウッドに雇われ、現在はロックウッド財団の実質的運営者として活動している実業家。

対外的には理想主義者であり、慈善活動家であるベンジャミン・ロックウッドの後継者であるが、実のところ現実主義者で拝金主義者。物事をコストで全てを判断し善悪や倫理観も金額次第なところがあるインテリ系悪役。

ロックウッド財団の資金を私的流用し、口止めの為には自ら手を汚すなど、旧3部作・新3部作を通しても珍しい悪役らしい悪役。

グンナー・エヴァーソル(トビー・ジョーンズ)

兵器密売人であり、イーライ・ミルズのビジネスパートナー。
ミルズと同じく、拝金主義者で倫理観よりも何よりも“金”が好きな悪徳密売人。
「ロックウッド・エステート」で行われた、イスラ・ヌブラル島から連れ出された恐竜のオークションでは司会を務めたが…。お察し下さい。

ケン・ウィートリー(テッド・レヴィン)

ロックウッド財団のイーライ・ミルズに雇われた傭兵であり、傭兵集団を束ねるリーダー。
兵士としては任された仕事を犠牲を払ってもこなすプロではあるが、正確には大きく難あり。曲がりなりにも協力していた人物を見殺しに出来るほどには歪んでいる。

また、サディスティックな性格であり、捕まえた恐竜の歯をペンチで引き抜き収集する趣味がある。
この無駄な趣味が災いし…。『ジュラシック・ワールド 炎の王国』での惨劇の主犯はこの人。

イアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)

旧3部作『ジュラシック・パーク』シリーズの事故の当事者であり生き残り。『ジュラシック・パーク 炎の王国』で17年ぶり再登場した重要人物。物語自体には直接関与しないが“語り部”的に確信を語る。

彼は、テキサス出身の数学者でカオス理論の専門家であり、世の中の出来事については人間の考えうるパターンに落ち着かず、複雑に生じる偶然性により予測不可能性であると考えを推奨している。また、彼は数学者として以前に、過去の出来事からも誰よりも恐竜に対するリスペクトを持ち、人によって産み出されたと言っても、その後の恐竜たちが辿る運命には自然に任せ、自然淘汰されるのであれば、それを重んじているべきだと考えている。

最後に語る「人間は恐竜と共存していかなければならない。真のジュラシック・ワールドにようこそ」というセリフは何とも皮肉で『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』に繋がる言葉になっている。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)

現代によみがえった恐竜たちの姿をリアルかつスリリングに描いて人気を集めるメガヒット作「ジュラシック・パーク」シリーズの最終章。2015年の「ジュラシック・ワールド」でメガホンをとったコリン・トレボロウが再び監督に復帰し、シリーズ生みの親であるスティーブン・スピルバーグが引き続き製作総指揮を担当。「ジュラシック・ワールド」シリーズの主演クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワードに加え、「ジュラシック・パーク」初期3作で中心となったサム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムが演じる3人の博士もカムバックする。

あらすじ

ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。
一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める。

恐竜の闇取引が広がる中、国連はバイオシン社にイタリアのドロミティ山脈の一角で恐竜を保護することを一任したのだった。

起1・・・クレタとオーウェンとメイジー(アメリカの恐竜保護地区

イスラ・ヌブラル島やロックウッド財団から逃げた恐竜たちが世界中に散らばって4年。クレア・ディアリングは相変わらず過激な方法で恐竜保護を訴えています。オーウェン・グレイディは恐竜保護地区(アメリカ?)で管理や研究を続けていて、自分で建てた山小屋でクレアと14歳になるメイジー・ロックウッドと3人で家族のように暮らしていました。

オーウェンとクレアはクローン人間であるメイジーを世間の目から隠し守っているのですが、当の本人はそんな生活が窮屈で仕方ありません。
近くの森に棲むヴェロキラプトルのブルーに子どもができました。ベータと名付けられたその子を追うことをオーウェンに拒まれたメイジーは家を出てしまいます。すると密猟者にベータともどもつかまってしまいました。遠くからそれを目撃したオーウェンはブルーに必ずベータを取り返すと誓い、クレアとともに救出に向かいます。

起2・・・エリーとアランとマルコム(イタリアのバイオシン社の恐竜保護区

一方、アメリカの中西部では巨大イナゴが大発生し深刻な被害が出ていました。いまは土壌科学者として研究活動を続けているエリー・サトラー博士は調査の過程で、かつて「ジュラシック・パーク」を作ったインジェン社のライバル、バイオシン社の関与を疑います。
そして昔恋人のような関係だったアラン・グラント博士をたずね、半ば強引に協力させます。現在バイオシン社と協力関係にあるイアン・マルコム博士の口利きで、イタリア・ドロミーティ山脈にあるバイオシン社の恐竜保護区へとやってきたふたりは、ラムジーという広報担当の青年の案内でCEOルイス・ドジスンと話をします。

そしてイアンと再会したふたりは、ここで開発されているイナゴのサンプルを盗み出すため、イアンから研究室に入れるキーを受け取り地下へと向かいます。
その地下にはルイスと開発の責任者ヘンリー・ウー博士がいます。ヘンリーはかつてインジェン社やその後継会社で獰猛なハイブリッド恐竜を創り出した人物です。巨大イナゴも彼の手によるものですが、いま彼は良心の呵責に苛まれていました。

承1・・・クレアとオーウェン、マルタ島の恐竜闇市でケイラと会う

クレアはCIAにいるかつての仲間に極秘情報を聞き出し、マルタ島(イタリア半島の先)で恐竜の闇市がおこなわれているという情報をつかみます。そのマルタにはメイジーが連れてこられていました。密猟者からソヨナ・サントスという女に引き渡されるメイジーとベータ。ベータを運んできた輸送機パイロットのケイラがその様子を見ていました。
別々に闇市に潜入したクレアとオーウェン。オーウェンはかつてイスラ・ヌブラル島でいっしょにラプトルの調教をしていたバリーと合流します。いま彼はCIAの潜入捜査官です。クレアは偶然ケイラと出会い、メイジーの写真を見せますがケイラは無反応。

承2・・・ソヨナがリモコンでラプトルの檻を開け攻撃を開始。

そんなとき、ソヨナがアトロキラプトルの取引をしている現場を捜査官たちはおさえます。しかし逃げられてしまい、ラプトルの檻はなんとか確保しますが犯人のひとりは闇市に紛れ込んでしまいます。オーウェンが追うものの、犯人は恐竜の檻を開けて応戦。
しかし結局自分が食べられてしまいます。ラプトルの檻に捜査官たちが近づくとソヨナがリモコンで檻を開け、ラプトルたちが出てきました。兵器として開発されたラプトルはソヨナの持つレーザーポインターで標的を認識し、音声信号によって攻撃を開始します。

次々と捜査官たちは殺されてしまいますが、バリーはうまく身を隠し、やってきたオーウェンに救出されます。そしてふたりは一頭を捕獲することに成功しました。ルイスの指示でクレアとオーウェンを殺すよう命じられたソヨナは、改めてふたりをロックオンします。
クレアはケイラに助けられ、車で輸送機へ向かいます。オーウェンはバイクで町中を逃げ回りますが、闇市から逃げ出した恐竜で広場は大混乱。

クレアから輸送機のところまで来るよう連絡があり、なんとか二頭を振り切って乗り込むことができました。

転1・・・アラン、エリーがメイジーとバイオシン社で合流

ベータとともにバイオシン社に連れてこられたメイジーはそこで会ったヘンリー・ウー博士から、自分の母シャーロットのことをよく知っていると聞かされます。シャーロットは自分の意志で子どもを欲しがり、遺伝子研究の結果ひとりでメイジーを作ったのだと言います。
そしてヴェロキラプトルのブルーも自分だけでベータを作ったのだと。メイジーはここから逃げ出すことを決意し騒ぎを起こします。
廊下に出るとそこには、イナゴの成虫を盗み出すことに失敗したアランとエリーが、命からがら生育室から出てきたところでした。3人はラムジーの導きで脱出用のポッドに乗り込みます。

転2・・・クレアとオーウェンがケイラの輸送機でバイオシン社へ

一方、バイオシン社を目指すケイラの輸送機は管制室にあやしまれ着陸許可がおりません。空域制御システムが解除され、翼竜のケツァルコアトルスに襲われた輸送機は墜落寸前。ひとつしかない射出シートでクレアを脱出させ、ケイラは輸送機を不時着させます。

森の木に引っかかったクレアはテリジノサウルスに襲われそうになりながらも身を隠し、やがて観測用の建物にたどり着きます。ケイラとオーウェンは薄い氷の上を移動中、赤い羽根のピロラプトルに襲われます。協力してそこから逃れたふたりはクレアを探しに森に入りますがシートのそばにはもういませんでした。

転3・・・クレア、オーウェン、ケイラが、アラン、エリー、メイジーと合流

アラン、エリー、メイジーの3人が逃げたことを知り、管制室でポッドの運行を止めるルイス。彼がイアンをクビにし追放すると、イアンは悪態をついて出ていきます。ラムジーの協力で車を手に入れたイアンは3人との合流を目指します。そのころその3人はポッドのトンネルにつながっていた坑内でディメトロドンに襲われていました。地上への出口はロックがかかっていて開きません。運良くそこへイアンがやってきましたが、全く慌てる様子もなく適当なパスワードを入力しては失敗。監視カメラでそれを見ていたラムジーがそれを解除し、彼らはそこから出ることができました。
クレアはオーウェン、ケイラと合流、そこへイアンたち5人もやってきました。

バイオシン社内ではルイスが巨大イナゴの証拠隠滅を図り、生育室に火を放って焼き尽くそうとしますが、なんと通風孔から大群が外に出てしまいます。燃えながら飛び回るイナゴによって森に火事が起こり、恐竜たちの生命にも危険が及びそうです。

ラムジーは上司であるルイスと決別すると、恐竜たちに埋め込まれたチップを使って管制室のそばに避難させようと考えます。
集合したオーウェンたち7人は最強の肉食恐竜ギガノトサウルスに狙われますが、全員の知恵と勇気で退けることができました。そして、そこから避難する前にベータを救出するため、再び管制室や研究室のある建物へと向かうのでした。

結1・・・ベータを救出しながらイナゴや恐竜と戦う

管制室でラムジーと再会したアランたちは、空域制御システムを起動させないとヘリコプターで安全に避難できないこと、そしてそのための電力が足りず、それを確保するためにメインのシステムを切らなければならないと説明を受けます。
エリーとクレアがメインシステムを切りに動き、オーウェンとメイジー、アランがベータの確保に向かいます。残ったイナゴを振り払いながらシステムを切ったクレアたちですがすぐに予備システムで復旧してしまい、最後はクレアが力づくでケーブルを切断してようやく空域制御システムが起動しました。

メインの電源が落ちたことによってポッドが止まり、脱出しようとしていたルイスは仕方なく歩き始めます。すると行く手にはディロフォサウルスが…。オレンジ色のエリマキを広げ威嚇してきます。後退してポッドに戻るルイスでしたがそこにも数匹待ち構えており、毒液を浴びせられ倒れたところに飛びかかられてしまいました。

オーウェンたちが3人で協力してベータを確保し戻ってくると、そこにはヘンリーが待っていました。自分の間違った行いを悔い、これからシャーロットの研究をふまえて巨大イナゴを駆逐すると言います。オーウェンたちはヘンリーもヘリに乗せることにしてケイラを待ちますが、恐竜たちが集まっているためなかなか着陸できません。

結2・・・空域制御システムを起動させ、バイオシン社からヘリで脱出

8人がヘリに乗るため外に出ると、なんとギガノトサウルスに見つかってしまいます。しかしそこにティラノサウルスもやってきて、人間には目もくれず二頭は激しく戦います。しかしティラノサウルスが倒されてしまい絶体絶命。すると今度は草食なのに凶暴なテリジノサウルスが現れます。

ティラノサウルスも再び起き上がり、テリジノサウルスの大きなカギ爪がギガノトサウルスに突き刺さってその命を奪いました。スキを見てヘリに乗り込んだオーウェンたちは無事にそこから脱出することができました。

後日、バイオシン社は告発され、3人の博士とラムジーは上院で証言することになりました。

ヘンリーは改良イナゴの開発に成功し、イナゴの群れにその一匹を放ちます。それによって巨大イナゴは絶滅するのだと、ヘンリーはおだやかな笑みを浮かべます。

ケイラはバイオシン社から賠償金をせしめ、前より大きな輸送機を買ってご満悦。
そしてオーウェンたちはブルーにベータを返すことができました。すぐに走り去ってしまった二頭ですが、ブルーだけがオーウェンの前に戻り、まるで感謝を伝えるかのようにしばらく見つめたのち再び森の方へと去っていくのでした。

登場人物

オーウェン(クリス・プラット)

『ジュラシック・ワールド』3部作の中で、恐竜行動学の専門家オーウェンは顕著な進化を遂げた。「『ジュラシック・ワールド』では、オーウェンは少し悪党だった」とクリス・プラットは言う。「彼はまさにヒロイズムの絶頂にあり、恋愛とは距離を置いていたんだ。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、彼がもう少し責任を負う姿を見ることができるようになる。そして今、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、オーウェンは義務を負っているんだ。彼は父親であり、夫なんだよ。以前のように無茶をすることはできない。なぜなら、より多くの人が彼を頼りにしているからね。自分自身や冒険心だけを尊重するのではなく、大切な人を守るために必死で生きているんだ。」

数年前に『ジュラシック・ワールド』フランチャイズに出演したとき、プラットは自分の役やストーリーがどこに行き着くのかまだ分からなかったし、まさか『ジュラシック・パーク』のレガシーキャストたちと一緒に演技することになるとは思っていなかったに違いない。「この作品に参加することは僕にとってとても大きなことで、サム、ローラ、ジェフから賛同を得られることを切に願っていた」と、プラットは言う。「この最後の作品に出演することで、彼らが満足してくれることを望んでいるよ。また、このフランチャイズの最後の祭典に登場することで彼らが、僕たちが作った映画に満足していることを確認することができたと思う。」

『ジュラシック・ワールド』から現在までの8年間に数え切れないほどの出来事があったが、プラットはこの3部作の集大成につながる経験すべてに感謝している。「人々が恋に落ち、結婚するのを見たり、赤ちゃんが生まれるのを見たりと、この数年間、私たち全員が一緒に経験してきたすべてのことを考えると、少し感傷的になる。美しいことも、難しいこともあったが、僕たちはそのすべてを通してお互いに助け合ってきた」と、プラットは語る。「そして今、ひとつの時代の終わりを迎えて、悲しいけれど、本当に美しいものであったと感じているよ。」

クレア(ブライス・ダラス・ハワード)

パートナーのオーウェンと同様に、クレアもまた、『ジュラシック・ワールド』3部作の間で変身、変化し続けている。「クレアはとても興味深く、ニュアンスのある、非典型的なヒロインだわ」とブライス・ダラス・ハワードは言う。「彼女は各作品で精神的な成長を遂げるの。『ジュラシック・ワールド』で初めて会ったとき、彼女には悪役の素質があった。彼女は、人生よりもお金に価値を置く役柄だったの。しかし、この映画の終わりには、彼女は変身を遂げ、女性としての力を発揮し、それを善のために使う姿を見ることができる。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、彼女はあまりにも行き過ぎたため、実は少し視点を失っているの。彼女は近視眼的で、自分の価値観に沿った選択をするようになったのだけど、おそらく大局的な視点は持ち合わせていなかったわ。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、彼女自身の良心と、拡大し続ける災害における自分の役割について考察するものだった。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、クレアは自分の価値観に沿って、自分の人生にとって何が重要なのかがわかるようになる。どうすればいいのかもわかっている。一方で、彼女は他人に与えたトラウマに対する罪悪感と向き合い、それを解決する責任を負っているの。」

『ジュラシック・ワールド』の製作のごく初期に、ダラス・ハワードは、彼女とプラットの間に真のパートナーシップがあることを認識した。「キャラクターを超えたケミストリーがあり、プロセスを通して、ストーリーとキャラクターにとって何が可能かというビジョンを共有してきた」とダラス・ハワードは語る。「そして、一緒にいてとても楽しかった。私は世界で一番大きな笑い声を持っているし、クリスは地球上で最も面白い人の一人だから、私たちは素晴らしいパートナーだといつも言っていたわ。」

ダラス・ハワードが『ジュラシック・ワールド』シリーズに携わって高く評価していることは、映画が非常に女性向けであるということだ。「考えてみれば、この映画が始まったとき、恐竜はすべてメスだったの」とダラス・ハワードは言う。「恐竜は女性の強さとパワーを理想化したもの。自然界で最も獰猛な動物は、圧倒的に母親でしょう。どの種族であれ、子供を守る母親ほど獰猛な動物はいないわ。この映画ではそれを見ることができる。」

エリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)

「コリンが私の役が戻ってくることをほのめかしていて、スティーヴン・スピルバーグが、エリーが彼女の仲間たちと共にフランチャイズに戻るというアイデアについてどう思うかと、電話してきたのよ」とダーンは言う。「私はそのアイデアにとても興奮したわ。私たちは皆、エリーが新たな自己意識を持ち、人生においても仕事においても前進して戻ってくることを望んでいたと思う。コリンと彼のフランチャイズに対する情熱を尊敬していたし、彼やスティーヴン、フランク・マーシャルは皆、エリー、アラン、イアンと、彼らが考えたキャラクターたちが再登場する方法に自信を持っていたから、私は特に興味を持ったわ。」

エリー博士だけでなく、『ジュラシック・パーク』のレガシーであるイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)とアラン・グラント博士(サム・ニール)も登場する。マルコムは、アランとエリーが遭遇したとき、バイオシン社で講義をしていた。「『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の冒頭でエリーは古生植物学者としての研究を終えて、土壌科学者として気候変動に焦点を移している」とダーンは語る。「彼女は、イナゴの大群が全米の農作物を荒らしていることを知り、優秀な古生物学者であるアラン・グラント博士からセカンドオピニオンをもらうことになる。この映画でサム、ジェフ、私の3人が初めて一緒にシーンを撮った後、コリンがモニターに映った私たち3人の写真をスティーヴン・スピルバーグに送ってくれたの。するとスティーヴンからメールが来て、私たちが一緒にいるのを見て涙が出たと書かれていたわ。とても特別な出来事だった。」

「スティーヴンと私にとって、このキャラクターの女性らしさ、憧れ、パワー、不遜さ、そして強さのバランスを見つけることが重要だった」とダーンは言う。そして今、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の脚本では、登場人物の説明でそれを再認識する必要はない。「彼女はエリー・サトラーで、それはスティーヴンが『ジュラシック・パーク』で確立したキャラクターを意味するものだとすぐに理解してもらえるから、『愛らしくもあり、強くもあり、女性的だけど、気が強い……』というような、申し訳程度の表現でなくても良いのが嬉しい。むしろ、彼女はアクション映画に出てくる男性キャラと同じようなキャラクターなの。意志が強くて、複雑で、面白くて、強いというのが大方の予想でしょう。これは『ジュラシック・ワールド』に登場するすべての女性キャラクターにも言えることだと思うわ。コリンは、自分のキャラクターが皆人間的で、勇敢であることを強く望んでいる。」

イアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)

『ジュラシック・ワールド』でイアン・マルコム博士として登場したジェフ・ゴールドブラム。彼は、『ジュラシック・ワールド』の共演者であるローラ・ダーン、サム・ニールと再会し、ファンから人気の高い数学者として戻ってきた。「イアン、エリー、アランには、個人的、知性的、環境的にまだやり残したことがあったんだ」と、ゴールドブラムは語る。「3人が共有する運命とレガシーは、まだ成就していなかったんだ。3人組として、彼らだけが完全に、そして独自に理解できる何かを生き抜いてきた。だから、永遠に根源的な絆で結ばれているんだ。撮影中、ローラとサムと再び時間を過ごし、一生懸命に働いたり、一緒に遊んだりしたことは、天からの贈り物だった。私たち3人はいつも一緒に歌っていたよ。まるで夢のようだった!」

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、マルコムは相変わらずカオス理論の勉強を続けている。「彼は特に、意図しない結果について研究することに専念している」とゴールドブラムは言う。「人生は予測不可能なもので、危険な冒険であると同時に、たまらなく味わい深い乗り物であることに気づいたんだ。」

トレボロウは、ゴールドブラムとマルコムが共有する視点の共通点を指摘する。「人類の運命が次の世代の手に委ねられているという考えは、ジェフ・ゴールドブラムにとっても重要なものです」とトレボロウは言う。「マルコムは、遺伝子の力の責任と、それを手にすることの危険性を明確に表現することができます。病気を治すだけでなく、病気を引き起こす可能性もある。権力は病気を治すだけでなく、病気を引き起こすこともできるということです。登場人物たちは、地球の未来とそこに存在する人類の能力のために戦っています。この物語では、恐竜が初めてここに来て以来、人類の生命が今までなかったような方法で脅かされています。これは、私たちの絶滅につながりかねない、狂気の生態系災害なのです。」

ゴールドブラムが言うように、トレボロウは真のリーダーの資質を持っている。「彼は素晴らしい性格で、深く根ざした信念を、また、美しい帽子をいくつも持っている。私は彼をバーソロミュー・カビンズと呼んでいるんだ。彼はとても親切で、寛大で、協力的だ。彼はいつも俳優たちのアイデアを歓迎してくれたよ。優しくて気負いがなく、集中力とセンスのある人で、一度も休んだことがない。彼は10人の超大物監督に匹敵する力を持っているんだ。」

アラン・グラント博士(サム・ニール)

古生物学者のアラン・グラント博士役にはサム・ニールが再出演している。ニールは「ずいぶん前に、再登場について示唆があったんだ」と語る。「私は再登場に興味があったが、単なるカメオ出演以上のものにしたかったので、躊躇していた。アラン・グラントが戻ってくるなら、正当な評価を受けられるようにしたかったんだ。しかし、すぐにアランの存在がプロットにとって重要であることがわかり、興味をそそられるようになったよ。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の旅は、参加するよう依頼されてよかったと思えるような旅だった。」

ニールは、ダーンやゴールドブラムと再会して『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を撮影することに興奮を覚えた。「『ジュラシック・パーク』での仕事はとても楽しかったし、多くのことを一緒に経験できた」とニールは言う。「90年代初頭、撮影中にカウアイ島を襲ったハリケーンのために、私たちは死にかけたんだ。私たちの友情は、2020年に世界が直面する課題と異なるが、困難で試練に満ちた経験の中で培われたんだよ。私たちは再び自然災害の中に身を置き、以前と同じように3人の絆を深めた。私たちは皆、素晴らしい友情と素晴らしいユーモアを持っていて、それによって多くのことを乗り越えてきたんだ。そして2人は、私の年齢を鑑みても常識的な範囲を超えて、私を笑わせてくれるんだ。」

『ジュラシック・パーク』のファンは、この数年後、アランとエリーの関係がどうなっているのか気になるところだろう。「アランは不機嫌で警戒心が強いように見えるかもしれないが、自己防衛本能があるにもかかわらず、本当は優しいんだ」とニールは言う。「『ジュラシック・パーク』でアランとエリーがうまくいかなかったのは、彼女が子供を作る決心をしていたのに、グラントが興味を示さなかったからだ。エリーはきちんと屋根のあるところに住みたかったが、都会に住むことや、子どもたちを学校に送り届けることは、手仕事や自然が好きなアランにとっては大きな問題で、それが2人の関係における最大の対立点だった。エリーとアランは『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で再会するが、これはアランが再び危険にさらされることになったことと関係があるような、ないような…。彼はずっと彼女に想いを持っていて、エリーを自分の人生から逃してしまったことを一番後悔しているんじゃないかと思う。グラントは、自分がうまく対処できなかったので、罪の意識を感じており、また自分自身をちょっと哀れに思っている。これらのことから、アラン・グラントが再び戦火に見舞われる理由と経緯には、エリー・サトラー博士が大きく関わっていると言えるね。」

では、家族のために忙しくしていないとしたら、『ジュラシック・パーク』の出来事が展開されて以来、グラントは何をしていたのだろうか。「アランは最初の3部作でかろうじて生還したんだ」とニールは言う。「その後、彼は恐竜の世界に背を向け、普通の生活を送ろうとしたかもしれない。会計士になり、週末にはゴルフをしたかもしれない。しかし、グラントがそれで幸せになれるとは思えない。なぜなら、彼が愛しているのは発見だけなのだから。彼は恐竜が大好きで、恐竜には私たちがまだ何も知らない膨大な歴史がある。少しは掘り起こしたものの、アランはまだまだ発見すべきことがたくさんあることを知っているんだ。」

ケイラ(ディワンダ・ワイズ)

ケイラは元軍人パイロットで、現在は裏社会で雇われ貨物パイロットのエースとして活躍している。彼女は問答無用で何でも飛ばす。このキャラクターを演じるのは、Netflix「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」シリーズのディワンダ・ワイズ。

ワイズは、このような強力な女性アクションキャラクターの役をオファーされたことに感謝している。「私のキャリアの多くは、自分で築き上げ、成熟させてきたものなの」とワイズは言う。「コリンに会って、ストーリーやケイラのことを聞いて、ぜひ私に演じてほしいと言われたときは、本当にありがたかった。初めて脚本を読んだとき、ストーリーと登場人物にすっかり魅了されたのを覚えているわ。そして2回目に読んだとき、ケイラが本当に素晴らしいと思い、涙が出た。アクション映画のスターでありながら、自分の演じるキャラクターがある程度成長し、深みを増すというのは、とてもクールなことだとずっと思っていたのよ。そのような要素を重ね合わせることができれば、魅力的な組み合わせになると思っていた。そして、それこそが私がケイラの中に見たものだった。『夢が叶った』というのは、すべてが実現した経緯を説明するには小さすぎるフレーズだわ。自分が役を選ぶ場合と、役が選んでくれる場合があるけれども、ケイラは私を選んでくれた。」

ケイラは、驚異的で凶暴な女性の長い系譜の中で生まれた。「彼女はずっと、パイロットになりたい、冒険の人生を送りたいと思っていたの」と、ワイズは言う。「パイロットほど、自由を表現する職業はないと思うわ。しかし、空を飛ぶということは、私たちにとってごく当たり前のことなのよ。旅行といえば、不便なものと思われがち。でも、ケイラにとっては、飛行機で空を飛ぶことが自分の家にいるように感じるの。彼女にとって、これほど自由なことはない。ケイラはとても自発的で、いつでも好きなところに行ける知性と技術を持っている。」

表面的には皮肉屋で金目当ての役柄に見えるが、ケイラには破れない倫理観がある。いざというとき、彼女はオーウェンとクレアにとってかけがえのない味方になる。「どの軍隊で訓練しても、多くの美しく高貴な資質を身につけることができる」とワイズは言う。「そして、ケイラはそれらの資質を備えているの。彼女は誠実で、心があり、名誉心がある。でも、私がケイラに共感したのは、彼女が完璧ではないということ。彼女が成長し、自分の良心と格闘する姿を目の当たりにするのよ。」

ラムジー(マムドゥ・アチー)

Netflix『アーカイブ81』(22)のマムドゥ・アチーが演じるラムジー・コールは、強力なバイオテクノロジー企業バイオシン社の高学歴社員である。ラムジーの正式な肩書きはコミュニケーション部門のトップだが、仕事の範囲はそれだけにとどまらない。「その肩書きは、同時にルイス・ドジスンCEOの副官として育てられているため、幅広い責任を担っていることがすぐにわかる」とアチーは語る。「バイオシン社は、人類の発展のために働く若き天才たちのシンクタンクとして描かれているが、その真の核心は、欲と支配に完全に突き動かされている。」

トレボロウが最初にアチーにこの役を説明したとき、彼はラムジーが理想主義者であることを伝え、それがアチーの興味をそそったそうだ。「ラムジーは、自分のためになることと、世界全体のためになることの倫理観と戦っている」とアチーは言う。「しかし、その最初の会話から、このキャラクターは確実に進化していったと思う。撮影が近づくにつれ、ラムジーは最初から自分の使命が何であるかに確信を持つようになったんだ。」

トレボロウは、このキャラクターが変身したことに満足している。「マムドゥは、自分のやっていることを信じるために必要なことをきちんと理解している素晴らしい俳優です。役のモチベーションを探るうちに、彼のキャラクターがストーリーの要になっていきました。物語中の着地点としては最適で、正直、なぜこれが最初の直感ではなかったのだろうと思うような瞬間の一つでした。」

アチーは、監督の多才さと細部へのこだわりに感心していた。「コリンは、カメラワークやアニマトロニクスに精通しているだけでなく、俳優と話し合うことも得意なので、とても魅力的な監督だと思う。そして、その2つの環境を素早く行き来することができるんだ。」

ヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)

ヘンリー・ウー博士は、テーマパーク「ジュラシック・パーク」、「ジュラシック・ワールド」の恐竜の創造を担当した遺伝子工学者だ。B・D・ウォンが『ジュラシック・パーク』で初出演し、『ジュラシック・ワールド』でも再びこの役を演じている。「1作目から30年経ってここに戻ってきたのは、とても不思議な感覚です。『ジュラシック・パーク』の最後に描かれたウー博士の物語には、未解決の部分がありました。そこでコリンが『ジュラシック・ワールド』で再登場させるべき登場人物についてオリジナル作品を振り返ったとき、このキャラクターが鑑みられたのです。この新しい3部作のために、フランチャイズに戻ってくることに興奮しました。」

ウォンが最初に脚本を読んで、クリスとブライスと一緒にレガシーキャストが戻ってくるのを確認したとき、彼はやりすぎかもしれないと思ったそうだ。「それはソーセージに肉を詰めすぎるようなものです」とウォンは言う。「おいしいけど、爆発しそう。でも、ファンのことを考えたら、『大変だ、ニューヨークで言うところの“プロッツ(plotz)”だ』と気がついたんです。ファンにはたまらない作品になると思います。」

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の冒頭で、ウー博士はバイオシン社で働いている。「ウー博士は科学者であり、それは企業環境における芸術家であるようなものです。そして、その企業環境が彼の行動や仕事を強制しています。彼は、ある種の企業の手先のようなもので、あることをするように仕向けられ、その結果、世界に大混乱を引き起こし、害を及ぼしてしまうのです。この映画は、企業対科学という現象を検証しています。ウー博士について明らかなことは、彼の科学に対する情熱です。そして、その科学への情熱の隣にあるのは、現在の仕事の背後にあるモラルを超えて、より大きな善があるという考えだと思います。そして、こうしたことが、彼が自分の仕事を正当化するのに役立っているのです。」

ウォンは続ける。「ウー博士のようにすでにファンに知られているキャラクターは、ロックウッド研究所で働いていたときからすでに多くの時間が経過していることを観客が視覚的に理解できるように、別のバージョンのウー博士を再登場させることが重要でした。そのために、ヘアメイクや衣装にもこだわりました。おそらく、時間が経つにつれて、このキャラクターが少しずつまとまりのないものになっていくという計画があったからでしょう。」

バリー(オマール・シー)

オマール・シー演じるバリーは、オーウェンとともに『ジュラシック・ワールド』の恐竜たちを訓練していた。トレボロウは当初、『ジュラシック・ワールド』のキャラクターたちを説明する際、彼は恐竜と一緒に働くだけでなく、まるでペットとして育てているかのように振る舞うキャラクターだと説明した。「コリンとランチをしたとき、彼は『ジュラシック・ワールド』フランチャイズに携わっていたんだ」とシーは言う。「彼は僕に役があると言い、僕はまったくの新参者だったので、ジュラシック・パーク・フランチャイズの次の三部作に携われることに興奮した。バリーが恐竜を教育し、世話をし、餌を与えるような特別な関係を持ってほしいと言われたんだ。このような、特別な動物とつながりや絆を持つキャラクターを演じるのは興味深かった。それに、コリンが英語で演技をすることに自信を持たせてくれた。これは今でも大きな意味があるんだよ。」

それから数年経った今、シーは『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で再びバリー役を演じることに興奮を覚えた。「久しぶりに戻ってきて、同じ仲間と一緒に仕事ができるのは素晴らしいことだ」とシーは言う。「いい思い出と気持ちがたくさん蘇った。みんな相変わらず一生懸命だ。ブライス、クリス、コリンの3人の働きぶりには、いつも感心させられる。3人はとても集中していて、自分のやっていることをきちんと理解している。撮影現場で彼らを見ていると、まるでマスタークラスのようで、僕も常に勉強させられる。僕は撮影の途中から短時間だけの参加だったけれど、まるで長い間一緒にいたかのような感覚だった。彼らは僕をとても歓迎してくれたんだ。」

シーが初めて『ジュラシック・パーク』を見たのは10代の頃だった。「とても素晴らしい光景だった」とシーは言う。「初めて本物の恐竜を見たような気がした。だから、『ジュラシック・ワールド』に出演できたことに、畏敬の念と感動を覚えたよ。撮影現場では見ることのできないものがたくさんあって、映画で見るのが楽しみだ。恐竜たちがどのように行動するのか、どのような姿になるのか、どのように動くのか、早く見てみたい。もちろん本物に見えることは分かっているけれど、恐竜のあらゆる要素が組み合わさっているのを見るのが待ち遠しいんだ。」

メイジー・ロックウッド(イザベラ・サーモン)

イザベラ・サーモンが演じるメイジー・ロックウッドは、オーウェンとクレアと共に暮らす14歳の少女だ。サーモンは『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で映画初出演を果たし、メイジーがベンジャミン・ロックウッド卿の娘の遺伝子クローンであることが判明した。メイジーの正体が明らかになった今、オーウェンとクレアは、彼女を守るために隠しておく必要があると感じている。「オーウェンとクレアは、彼女を科学実験に利用するために誰かが連れ去ることを恐れているので、彼女は外の世界とあまり接触することを許されていないの。外に出ることはできても、家の橋の向こう側には行けない決まりになっている。そして、多くのティーンエイジャーがそうであるように、彼女は何かをしてはいけないと明確に言われても、とにかくそれをしてしまう年頃なのよ。」

サーモンは、数年経ってから『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の撮影現場に戻ってきて前とは違った感じがしていると言う。「『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、私が演技をした初めての作品だったので、すべてがとても不思議で、同時にすべてに少し惑わされていた」とサーモンは話す。「今回、また同じメンバーと一緒に仕事ができて嬉しかったし、不思議な感覚は変わらないけれど、それ以上に気づくことがたくさんあったの。キャラクターや演技について、常に何か新しいことを学んだり発見したりすることができたわ。」

彼女のスクリーン上の両親であるクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードは、彼女の成熟度とセットでの柔軟性に感銘を受けたという。「もちろん、走ったり、疾走したり、戦いの振り付けをしたりすることに大半の時間を費やす日もたくさんあった」と、プラットは言う。「その一方で、非常にニュアンスに富んだ、キャラクターを生かしたシーンもあった。僕が印象に残っているのは、メイジーが火を囲んでいるシーンだ。見ていて驚いたし、彼女がどんな俳優なのかを知ることができた。彼女は当時まだ14歳だったけれど、その瞬間にとても存在感があり、多才で、毎回少しずつ違うテイクをこなしていたんだ。」

ダラス・ハワードはこう付け加える。「私には2人の子供がいて、上の子はメイジーより7ヶ月ほど年下なんだけれど、私にとってはとても奇妙なことに、メイジーは私にとって同級生みたいに感じるの。彼女は私の仕事仲間なのよ。彼女のプロ意識、存在感、大人っぽさ、かわいらしさには、ただただ驚かされるばかりだったわ。」

ルイス・ドジスン バイオシン社CEO(キャンベル・スコット)

キャンベル・スコット演じるルイス・ドジスンは、1993年の『ジュラシック・パーク』では、デニス・ネドリーと共謀して恐竜の胚をバーバソル・シェービング・クリームの缶に入れてパークから密輸した。「ドジスンは、『ジュラシック・パーク』よりも原作本の中で大きな存在感を示していた」とスコットは言う。「本で描かれたストーリーは『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』とは異なっているが、クライトンがキャラクターに込めた要素のいくつかをスクリーンに取り込みたかったんだ。ドジスンとバイオシン社は、かなり陰険なレベルで動いている。彼は、どこからでも情報を得るためには手段を選ばない。でも、他のほとんどの悪役と同じように、ドジスンは自分が悪役だとは思っていないんだ。ある意味、最初からちょっと発育の悪い性格だったとは思うが、テクノロジーを科学に活用する才能があった。その後、権力と金が手に入ることに味をしめたとき、彼はあの人物に変身し始めたんだ。原作本では、ドジスンがただのサイコパスである場面もあるが、ただのサイコパスを演じても面白くはないんだよね。深みがあって、行動の裏に面白い意図を持っている社会病質者を演じる方がずっと面白いんだ。」

スコットは、製作期間中、キャスト全員が一緒に暮らしたことが非常に役に立ったと考えている。「演劇出身なので、舞台裏でキャストの仲間と多くの時間を過ごすことに慣れているんだ」と彼は言う。この作品では、COVIDの関係で全員がホテル住まいだったので食事をしたり、リハーサルをしたり、普段の映画制作では一緒にできない体験をすることができた。そして、コリンはずっと、チャンスがあれば絶対に俳優たちと一緒に仕事をしていたんだ。特にこのような規模の映画でそうしたことができたことが、大きな差を生んだのだと思う。」

ソヨナ・サントス(ディーチェン・ラックマン)

ソヨナ・サントスは、バイオシン社と恐竜の密輸を行う闇市場をつなぐ謎の女性だが、その意図は不明だ。このキャラクターを演じるのは、先日Apple TV+「セヴェランス」(22)に出演したディーチェン・ラックマンだ。「コリンが初めてソヨナについて説明したとき、彼女はゲームの頂点に立つワルだと言っていました」とラックマンは言う。「自分の手を汚さなくても、他の人がやってくれるから。役が決まってから、彼女がどうやって今の地位を築いたのか、長いバックストーリーを書き、そこから映画の中の彼女へと進化していきました。観客は必ずしもそのすべてを見るわけではないのですが、キャラクターを作り上げ、肉付けするお手伝いができたことは、私にとって楽しいことでした。」

ラックマンはこう続ける。「ソヨナは間違いなくお金と権力に突き動かされています。彼女はタフで強く、決然としている。結局のところ、彼女はただ仕事を成し遂げたいだけなのです。また、このキャラクターには曖昧な部分が多くあります。彼女はちょっとミステリアスなのです。」

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※記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

くま吉

2010年から「ビジネスサイト制作教室」を主宰してきた現役ウエブデザイナーです。多くの生徒さんと一緒に、ワードプレスによるサイト作りに携わった経験を生かしてこの講座を始めました。

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